安全な国とは、即ち安全な人民を意味するわけではありません。実際には過去100年の間に自国政府によって殺害された人々の数は、外国からの攻撃による死亡者を遥かに超えています。
大規模戦争、人権侵害、あるいはテロリズムの脅威に悩まされている世界において、ほとんどの人々が組織的暴力は増加傾向にあると考えていることは、決して驚くべき事ではありません。しかし、ミニ・アトラスに表出されたように、こうした一般的な通念は真実とは異なります。
冷戦終了後、世界中の武装紛争は激減しました。第1章では、国家間紛争および国内紛争、そしてある国家の紛争に費やした年月を見つめます。
全ての武力紛争の約半数には、政府軍の関与がありません。第2章では、大量虐殺やその他の一方的な権力による市民の大量殺人を含めた、非国家紛争を検証します。
戦死者数の減少は、武力紛争件数の減少よりも更に顕著です。第3章では国家紛争や政治的暴力による死亡者の累計を表示しつつ、報告されている死亡者数の信憑性を問いかけます。
最も悪質な人権侵害は秘密裏に行われていることもあります。第4章では、信頼できる数計報告はごく少ないものの、拷問、少年兵士、民族浄化やその他総体的な人権侵害についての国別比較を表します。
アノクラシー=独裁でもなければ民主主義でもない=は武力紛争に最も陥りがちな政治体制です。第5章では、紛争と政治形態、貧困と平和維持の関係を紐解きます。